絶景の果て

みずのおとをたどり
果てをおよいで
うまれてきた

せかいがうつった
その瞬間
大きな波がやってきて
うすい膜で
からだを閉じた

透明の膜の内側で
せかいを
人間を
自然を
ただ見つめていた
ただ見つめていた

あの日閉じこめられた
なつかしいは
きみのてのひらが
呼びもどした

さあ じゆうだ

ひとつになって
彼方へ 飛びたつ
色がかわる
あの一瞬の中にいた
いのちをつなぐ
閃光をみた

遠くのほうで
チャイムの音が
鳴っている
ああ もう かえらなきゃ
水を放して 手を離して

風にただよって
闇をさまよって
あっというまに
ぼくらの体を
みつけてしまった

ひかりがとけるまえに
からだのなかへかえらなきゃ
透明の膜が破れる前に
からだのなかへかえらなきゃ

ありがとうを
おやすみなさいを
きみへ
ゆうやけこやけ
またあした

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